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症例報告
足関節捻挫に併発した浅腓骨神経障害
H.S. 柔道整復学科 小野 2006年11月29日
小児の足関節捻挫;前距腓靭帯損傷I度に合併した浅腓骨神経挫傷の治療と経過を報告します。この症例に生じた足背のしびれは、おそらく皮神経の急激な牽引によるものであると思われました。末梢神経の神経鞘内滑走についての論文を示して、外傷に伴う末梢皮神経障害の保存療法の在り方について、解剖学的根拠を知ることがとても大切であることをお伝えできればと思います。
年齢・性別
9歳 ♀
負傷機転
ケンケンをして遊んでいる際、友達とぶつかり転倒して受傷した。しかし、その時のどのように右足を捻ったのか憶えていない。
主 訴
右足外果部周囲に圧痛、腫張、歩行痛
右足足背部外側部にチリチリとした感覚
既往歴
特記すべきものなし
所見
足関節前方引出しテストにより、前距腓靭帯I度と判断された。
下腿全面で浅腓骨神経の出口あたりに Tinel sign が観察された。
筋力低下は見られなかった。
固定方法 固定変更
下腿中ほどより、足指先までプレスチックソフトキャストでシャーレ固定し、背側面からは外部から皮神経への接触性の刺激を避けるためにスポンジを置いた。足関節の角度は90度で、内外反のないようにした。2週間はこの固定を維持し、その後は綿包帯固定にして5週まで経過観察した。
経 過 固定後約10日でしびれ感低下し、Tinel sign (+) も過敏ではなくなった。完全にしびれ感がなくなるのに5週間を要した。
末梢神経の体内可動性(伸長)図1,2に示される範囲であれば、神経幹の微小循環は傷害されずに温存される。末梢神経には外部からの血行が特別な構造をしていることがわかる。つまり,神経は細い可動性のある血管で分節性に栄養されていて,これは屈筋腱での滑膜性腱鞘内の腱紐(vincula)からの血行であったり、あるいは腱鞘外での腱周囲の疎なパラテノン(paratenon)での細い血管と類似しているといえる(G. Lundborg.: Nerve Injury and Repair. Longman Group UK Limited. 1988)。